糖尿病性腎症
糖尿病性腎症とは
糖尿病性腎症は糖尿病の三大合併症の一つで、高血糖状態が長い期間続くことによって全身の動脈硬化が進行し、腎臓においても血管が壊れたり破れたり詰まったりして、老廃物を濾過することができなくなり、尿が作れなくなってしまう疾患です。
全透析患者のうち、糖尿病性腎症が原因で透析を受けることになる人は40%を超えており、一番多い割合を占めています。
ただし、急に尿が作れなくなるわけではなく、段階を経て(下表ご参照)、病状は進行していきます。そのため、できるだけ早期のうちに発見し、適切な治療を開始することが何と言っても大切になります。
当院では、この糖尿病性腎症の診療に特に力を入れておりますので、ご相談ください。
糖尿病性腎症の病気分類
病期 | 腎機能 | 自覚症状 | 有効な治療法 |
---|---|---|---|
第1期 (腎症前期) |
正常 | ほとんど無し | 血糖コントロール |
第2期 (早期腎症期) |
正常 | ほとんど無し | 厳格な血糖コントロール 降圧治療 |
第3期A (顕性腎症前期) |
ほぼ正常 | むくみ、息切れ、胸苦しさ、食欲不振、満腹感など | 厳格な血糖コントロール 降圧治療、たんぱく質制限 |
第3期B (顕性腎症後期) |
低下 | 降圧治療 低たんぱく食 |
|
第4期 (腎不全期) |
著しく低下 | 顔色が悪い、疲れやすい、吐き気または嘔吐、筋肉の強直、つりやすい、筋肉や骨に痛みがある、手のしびれや痛み、腹痛、発熱など | 降圧治療 低たんぱく食、透析療法導入 |
第5期 透析療法期) |
透析療法中 | 透析療法 腎移植 |
第2期までに発見したい
糖尿病性腎症の第1期、および第2期では自覚症状はほとんどありません。そのため尿検査をしないと、この病気の診断はできません。
しかし、第3期以降では病気の進行を遅らせることはできても、良い状態に戻すことはできないため、第2期までに糖尿病性腎症をみつける必要があると言えます。
糖尿病性腎症を早期のうちに発見し、悪化させないようにコントロールするためにも 定期的に医療機関で検査を受けるようにしましょう。